チームに問い合わせ対応へのエンジニア担当ルールを導入した話

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こんにちは、PR TIMESでエンジニアリングマネージャーを務めている田中宏基です。

目次

はじめに

PR TIMESにはユーザから直接、お問い合わせを頂きPR TIMESサポート&サクセスデスクを担っているカスタマーリレーション本部(以下、CR)があります。エンジニアは日々、CRを経由してユーザからのお問い合わせ対応を行っています。

今回はCRからのお問い合わせに対して、PJの開発チーム内で曜日毎の問い合わせ担当エンジニアを設定するルールを導入したことについて話していきます。

※注:本記事ではCRメンバーでは解決が難しいサービス上の不具合修正やお問い合わせの回答にあたって詳細な仕様確認が必要なPJの開発チームへの調査依頼のことを「問い合わせ対応」と記載しています。

感じていた課題

問い合わせ対応は簡単ではないですが、そんな問い合わせに迅速に対応するためには実装を始めとするシステムの全体理解だけではなく、プロダクトやサービスについてのドメイン知識が求められます。

また、CRと開発チームの適切なコミュニケーションも必要とされます。

そのため、なるべくチーム内の全エンジニアにやって欲しいと思いながらも特定のメンバに問い合わせ対応は偏ってしまってしまう状況が続いていました。

PJの振り返り会でメンバが感じていた課題感

導入した曜日担当制ルール

そこでチーム内で曜日ごとに問い合わせ対応を行うエンジニアを下記のように固定とするルールを導入しました。

月曜:Aさん
火曜:Bさん
水曜:Cさん
木曜:Dさん
金曜:Eさん

導入目的として4点挙げられます。

  • エンジニアのドメイン知識の向上 問い合わせ対応は様々な依頼があり、調査をする過程でプロダクトの全体像が見えるようになるだけでなく、各機能の詳細や実装についても詳しくなり、プロダクト理解が進みます。
  • エンジニアの技術力向上 問い合わせ対応や調査を行うために自身の理解が浅い機能のコードリーディングや不具合改修を行います。知らない機能のコードを読みながら、改修を進める能力はエンジニアにとって必要不可欠で、確実に技術力向上になります。
  • 問い合わせへの回答速度向上 チームの全体メンションに問い合わせが来た場合、各メンバが「誰か回答するだろう…」と考えてしまうお見合い状況を担当者を決める事によって防ぎ、CRへの回答速度を向上し、結果的に連携強化にも繋がります。
  • 属人性の排除 チームの全員が問い合わせ対応できるようになることで「ここはAさんに聞かないとわからない」といったことを防ぎます(また、属人化している状況が続くとサービスが大きくなった時にスケールしなくなるので、それを予防する意図もあります)。

ルール導入後の姿

導入後にチームに以下の変化がありました。

  • 特定メンバが問い合わせ対応が集中している状況が是正され、チーム内で問い合わせ対応のコストが均一化。
  • 問い合わせ対応者が明確に決まったことにより、CRへの一次対応・調査の連携速度が向上。
  • メンバ同士で各種問い合わせ対応やよくあるケースの対応方法・各機能の詳細な仕様をドキュメント化していこうといった動きが積極的に行われる。

正直、導入前は「問い合わせ対応をやりたくない人が多いかな…?」や「皆、自分のタスクに集中したいかも…?」と迷う気持ちはありました。ただ、実際に導入してみるとメンバ皆、自分の担当曜日には非常に主体性を持って問い合わせ対応を行ってくださるようになり、明確にルール化することの大事さを実感しました。

おわりに

順調に見えているエンジニア担当制ですが、一次対応を行う際に状況を判断するための情報が少なくて難しいや作業手順を残していくルールが不明確…etcとまだまだ問題はあるので、今後、1つ1つ解決に向けて着手していきたいです。

勿論、どんな施策を導入するにしてもしっかりCRと連携を取りながら、CR・エンジニアのどちらもWin-Winとなる打ち手を打っていきたいです。

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この記事を書いた人

株式会社PR TIMESでエンジニアリングマネージャーしてます

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